宮司のブログ

こんにちは。日吉神社の宮司を務める三輪隆裕です。今回、ホームページのリニューアルに伴い、私のページを新設してもらうことになりました。若い頃から、各所に原稿を発表したり、講演を行ったりしていますので、コンテンツは沢山あります。その中から、面白そうなものを少しずつ発表していこうと思います。ご意見などございましたら、ご遠慮なくお寄せください。

歴史修正主義を憂う

2016年6月5日   投稿者:宮司

 歴史修正主義を憂う

 神職になろうとする人々に、神社本庁が推薦する図書の一つに、平泉澄著「少年日本史」がある。平泉澄という人は、戦中の一時期に存在した、東京帝国大学で国体学を講義した日本思想史講座の主任教授で、皇国史観を主張した人物だ。その前書きに以下の文章がある。

 「皆さんよ、人の貴いのは、それが誠實であるからだ。誠實は一切の徳の根本だ。その誠實を守る為には、非常な勇気を必要とするのだ。世の中には、自分の欲の為に、事實を正しく視る事の出来ない人もあれば、世間の人々を恐れて、正しく事實を述べる勇気のない人も多い。今後の日本を担うべき少年の皆さん、敗戦の汚辱を拭い去って、 続きを読む

日本


緊急事態条項の必要性の論議に呆れた

2016年5月6日   投稿者:宮司

  緊急事態条項の必要性の論議に呆れた

 四月三十日、TRS系テレビの報道特集という番組が、「憲法改正~変えたいものは?」という表題で、改憲派の、「緊急事態条項」を新憲法に加える主張について特集をしていて、見て、呆れた。

 改憲派の集会では、安保法制は合憲であるという数少ない、確か日本でたった4名の法学者の一人である百地章先生が講演をしていて、聴衆は、渡されたパンフレットを見ている。そのパンフレットには、東日本大震災の非常時に、緊急車両にガソリンが行き渡らなかったために出動できず、助かるはずの人を何人も助けられなかった。だから緊急時には法律手続きを超えて政府が一元的に指揮をすることが必要であると謳ってあった。 続きを読む

日本


パリのテロ

2015年11月18日   投稿者:宮司

 パリのテロ

 パリのイスラム原理主義者によるテロ行為は、世界を震撼させた。
思い起こせば、2001年9月11日の米国の貿易センンタービルへのイスラム原理主義者たちの同時多発テロ攻撃が、21世紀の原理主義対自由主義の戦いの始まりであった。先進国の指導者たちは異口同音に、「テロには屈しない。犯罪として処罰する。」という。我が国の首相も例外ではない。彼は、自らイスラム原理主義との戦いに飛び込んで行き、高らかに正義を歌い上げる。

 しかし、本当に 続きを読む

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