反グローバルの言説に惑わされるな!
反グローバルの言説に惑わされるな!
最近、Mediumという米国の言論サイトに登録した。
米国人は、どのような話題で盛り上がっているか注目してみると、AI(人工知能)一色である。
今は、AGI(汎用人工知能)についての議論が盛んだ。チャットGPTやGemini5などの生成AIの発展形として将来予想されるAGIについて様々の予想が語られている。
日本ではどうか? 衆議院選挙の真只中で、国や世界の行先についての議論が喧しい。
世界は反グローバリズムのうねりに翻弄されていて、国家角逐の時代になろうとしている。国際秩序は地に落ち、国連は機能を失い、米国、ロシア、中国という3大国が力によって世界地図を塗り替えようとしている。
だから、日本も、軍事力を整備し、場合によっては核武装を厭わず、生き残りの方策を立てなければならない、といった議論が多い。
これを比較すると、米国では、トランプ、プーチン、習近平が仕掛ける世界秩序の変更に無関心で、日本では、それが関心事の中心となっていることがわかる。
おそらく、米国以外の自由な言論が許されている大部分の国々では、多かれ少なかれ、日本同様の情勢であろう。
それは、日本やそれらの国家には、大規模核兵器という最終兵器の準備がないからである。
しかし、そういった国々が、すべて、米国やロシア並みの相互確証破壊を保証する核戦力を持つことは考えられない、そうなったら、人類は滅びる。反グローバリズムの最終、最悪の結果である。
問題なのは、かつて人類の核戦争による破滅を免れようとして、米ソが合意した核戦力削減交渉をや核不拡散条約をはじめとする数々の国際条約が破棄され、機能しなくなったことにある。もちろん、それを主導したのはトランプであり、彼は紛れもなく平和の破壊者であって、平和の創造者ではない。
米露中という3軍事大国の指導者たちが、無知で暴力的であるので、放置すれば、2、3年以内に最終戦争が生起するかもしれない。そういった予測が囁かれる昨今である。
しかし、米国内の世論は、AI論争が中心であって、世界が滅びるといった論争の気配がない、これは一体どうしたことか?
最近、米国、ミネアポリスでは、トランプの反移民政策を強引に進めている組織(ICEとDHS)がその強引な移民拘束に反対した米国市民2名を立て続けに虐殺する事件が起きた。
今は、この事件に対する抗議で国内、特に民主党支持者を中心とする都市住民は盛り上がっていて、トランプ政権はその沈静化に躍起である。
米国民が、世界秩序の崩壊に冷静なのは、いずれ11月になれば中間選挙でトランプをレーム・ダック化し、次の大統領選挙で、知性主義者を中心とする民主党に政権を移し、再び世界秩序を平和的に構築し直す道筋に自信があるからであろう。反グローバリズムは、そこで終焉するのだ、
2025年のトランプ関税をはじめとす諸々の米国の政策変更とそれらに対する世界の反応を見れば、米国は相変わらず世界をリードする役目を持っている。それを反グローバリズムのうねりの下に一時的に放棄したので、世界は無秩序になろうとしている。結局、米国が正気にならなければ、世界は存続できない。
正気の米国人たちは、それに気付き、すでに軌道修正を始めている。そしてそれに自信を持っている。そして次にやってくるであろうスマート社会(AI革命)に向けて議論を重ねているのだ。
グローバル化が完成し、世界のサプライチェーンが再び機能し、世界経済の生産力が確実に増大すれば、世界的に人間の最低限の生活水準は上昇し、それは生活レベルの均一化につながり、スマート社会への転化を準備するであろう。
もちろん、そのためには、発展途上国を含めて、世界中に民主主義の徹底と、適切な格差の是正、資源の適切な利用が行われなければならない、第2次大戦後の資本主義が改良されたようにグローバル資本主義の改良がなされなければならない。それはすでに議論され始めている。
ところで、これを円滑に進める鍵はなんであろう?最近、私は結論を得た。AIがその役目を担うのだ。AIを使用した経験があればお分かりだろうが、AIは世界中の知識を集めて問題解決を図る。そこで、非合理的な考えや、明らかに人類が作り上げてきた倫理や公正に反する考えは排除される。感情や思い込みに囚われて間違った判断を下す人間のようなことはない。
つまり、人間が、AIを活用し、未来社会を描いてゆけば、それは過去を含めた人類の叡智の結果を集積したものとなる。AIが、人類が到達した倫理や社会経済システムを否定し、新しい考えを押し付ける危険はない。なぜなら、AIは、教えられた以上のものは考えつけないからだ。
では、人間の仕事は何か? AIがどうしてもできないこと。それは全く新しい発想に基づく創造性だ。それが良いか悪いか、すなわち人類の発展の延長線上にあるかどうかはAIが判断してくれる。
このように人間とAIの共同作業によって、人間の未来社会が築かれるならば、意外に早く理想の社会が近づくかもしれない。
なお、人間は、物質的、生殖的な欲求からは、将来解放されるであろうと予測している。もちろん一定の水準で物質的な生活の全てが達成されるという前提のもとに。「衣食足りて、礼節を知る。」のだ。
次に、考えられるのは、スマート社会が達成されれば、人類は自然に人口減少し、環境問題は解決され、地球環境と調和した生活を送るであろうということだ。人々は多種多様な意志共同体を複数作り上げ、寄り添って都市に住み、自然はリゾート地となり、国々は諍いをやめ、国連はより充実し、暴力で物事を解決しようなどという前時代的な指導者は排除されるであろう。そのようになれば、人々の多様性を認めることによる文化摩擦や移民排斥など存在しまい。
最近、ビル・ゲイツ氏が気候変動への対処は相変わらず大切であるが、それよりも発展途上国の人々の生活を助け、彼らの生活水準を上げることこそが大切であると言い出したのは、この辺りの事情ではないか。
また、今はまだ、人口減少が悪いことのように考えられているが、将来はもっと自然に受け入れられ、人類は適度な個体数になるまで自然減少するであろうと考えている。(2026/02/01)