グローバルサウスの発展
2023年5月29日 投稿者:宮司
近年、グローバルサウスと呼ばれる国々の経済発展が著しい。グローバルサウスとはインドやインドネシア、トルコ、南アフリカといった南半球に多いアジアやアフリカなどの新興国・途上国の総称である。すでに、世界のGDPにしめるG7の国々の割合は50%を切っている。
本ブログで、しばしば述べているように、世界人類は、近代社会、近代文明の完成に向けて邁進している。先に、先進国と言われる国々が到達した物質的に満たされた平和で豊かな社会の実現をすべての人類は願っている。そこでの社会病理・精神的な問題の解決は未だ満足される答えが見つかっていないので、それを幸福な社会ということはできない。それでも、とりあえず物質的に満たされた近代社会への欲求は、全人類に普遍的なものである。
だからこそ、1992年のリオデジャネイロでの国連環境開発会議で、「持続可能な開発」が人類の目標とされたのである。現在、日本の一部の人々が胸につけているSDGsのバッジはその結果である。
20世紀、人口爆発は止まるところを知らないのではないかと言われたが、21世紀になってみると、明らかに先進国の近代社会では人口減少が始まった。したがって、世界人類の全てが近代的な生活を享受し、その結果、世界人口がピークアウトし、環境破壊やエネルギー問題や資源の枯渇問題に対し、自然に歯止めがかかるまで、人類はそれらの問題に対処しつつ、経済的な発展を続けなければならない。これが「持続可能な開発」の意味である。
つまり、グローバルサウスやそれに続く発展途上国の全ての人々が先進国と同等の豊かな社会生活を営むことができるようになるまで、世界経済は発展を続けなければならない。
そのためには、グローバルな自由取引に基づく資本や技術の移転が保証され、また、人々の移住も可能な限り自由とされなければならない。
本ブログで、グローバル化によるグローバル経済と、戦争のない平和な世界、発展途上国から先進国への移民の自由化について屡々述べてきたのはこの理由による。
そして、ようやく発展途上国の先進国へのキャッチアップが目に見える形で現れるようになったのである。世界はこれを歓迎し、更に発展途上国が経済発展することを支えていかなければならない。
WHOが経口の人口中絶薬を承認し、日本政府もこれに倣おうとしていることを批判する向きもあるが、これは木を見て森を見ずということ。世界人口を見れば、発展途上国ではまだまだ増加が続いており、それを抑制することにも重要な意味があることを見落としている。
また、世界が均等に豊かな社会となることを信じることなく、保護貿易や技術移転の阻止を訴えている人々も同じ。世界の行く末を考えていない。
また、気候変動を信じず、その対策を無用と考える人々も同じである。
これらの無知な人々の考えを啓蒙し、より多くの人々が世界人類のことを考え、協力することが可能な社会を、今こそ作っていかなければならない。 (2023/05/28)