宮司のブログ

こんにちは。日吉神社の宮司を務める三輪隆裕です。今回、ホームページのリニューアルに伴い、私のページを新設してもらうことになりました。若い頃から、各所に原稿を発表したり、講演を行ったりしていますので、コンテンツは沢山あります。その中から、面白そうなものを少しずつ発表していこうと思います。ご意見などございましたら、ご遠慮なくお寄せください。

総選挙に期待する

2021年9月5日   投稿者:宮司

 自民党の総裁選挙は、混迷を極めた上で、菅首相の辞任という決着を前提として、新総裁を選び、衆院総選挙に向かうこととなった。


 この原因を作ったのは、菅首相本人である。もともと、世代交代を嫌う長老たちの使いやすい駒として選び出された菅氏は、おとなしくしていれば、そのまま総裁再選となったであろう。しかし、寝技で続投を確定させたい菅首相は、因果を含めて下村氏を総裁立候補断念に追い込み、次に岸田氏の掲げた世代交代論を無害化するためと、菅総裁の元では選挙は戦えないとする自民党若手議員の気分を宥めるために、二階幹事長の更迭を画策し、更に、幹事長ばかりでなく、党役員人事を任期切れ間近に刷新し、おそらく、岸田氏と河野氏を党役員に取り込み、戦わずして総裁と首相の続投を勝ち取ろうとした。
 ここに至って、その暴走が長老たちの逆鱗に触れ、役員人事を誰も受け入れないという事態に追い込まれ、万事休して、解散と役員交代を諦め、遂には辞任に追い込まれたのである。
 これは、自分が実質的な最高権力者となったと勘違いし、密室政治で政局を乗り切ろうとした菅首相の政治観のなせるところであった。
 この人物は、五輪の時から「安心安全のオリンピック」を念仏のように唱え、また、口先だけで「国民の生命が最優先」と唱え、その実態は、自分の総理総裁としての続投が最優先であった。そして、真摯に政治と向き合わなかったために、政策は全て大失敗し、国民からの信頼を限りなく失い、自滅したのである。
 確かに、安倍前首相と違い、勤務態度は真面目であり、色々汗をかいたことは事実である。しかし、根本の目的が間違っていた。本音で国民の命や財産を守ろうと考えたことなど、皆無であったに違いない。意識の全てが権力や権益の保持に向けられていた。悪政であった。

 さて、自民党の頭が変わることとなったが、国民は自公政権を存続させるであろうか?いかに野党がだらしないと言っても、このような状況で、政権奪取ができないようであれば、かつて小沢一郎氏が模索したような二大政党の政権交代を軸とした民主主義は生まれない。もともと、小選挙区制度は、簡単に政権交代が可能なように設計されている。その意味では、今回は一つの正念場である。
 野党統一候補を各選挙区に配し、与党と一騎討ちを挑むことだ。自公を過半数割れに追い込めば、野党連立政権の目が出る。その時に、細かな政策はすり合わせれば良い。今はただ、このコロナ感染爆発をいかに抑え込んでいくか、権力、権益に結びつく人々を中心とした密室政治の解体、政治の透明化と正常化、法と正義の貫徹を掲げて戦えば良い。

 面白い選挙を期待したい。 (2021/09/05)
 

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