宮司のブログ

こんにちは。日吉神社の宮司を務める三輪隆裕です。今回、ホームページのリニューアルに伴い、私のページを新設してもらうことになりました。若い頃から、各所に原稿を発表したり、講演を行ったりしていますので、コンテンツは沢山あります。その中から、面白そうなものを少しずつ発表していこうと思います。ご意見などございましたら、ご遠慮なくお寄せください。

Modernization and Human Society(近代化と人間社会)

2020年3月23日   投稿者:宮司

 最近、このブログに今まで書いてきたことの集大成を一冊の本にまとめることができた。

 英文で、「Modernization and Human Society:How to Make a Peaceful World」という。

 もちろん最初は日本語で書き、友人たちの協力を得て、英文に変換したものだ。なぜ英文で?と思う人々もいるであろうから、そのわけを記す。
 この本は、すでにこのブログで記された人間社会の分析、特に、「前近代と近代ー社会意識の変容」と「近代化の終着点」を軸として、「幸福感と豊かさ」、「個人化と民主主義の将来」、「宗教と文化の交流と相互理解は世界の平和をもたらす」などの記述を加えながらまとめたものだ。したがって、日本の読者は、このブログを読んでいただければ、おおよその内容を知ることができる。
 そして、この本は、基本的に全世界の読者、とりわけ発展途上国の読者に向けて用意されている。したがって英文の必要性があった。また、親切な友人たちが、アラビア語、ヘブライ語、ウルドー語に翻訳している。遠からず、それぞれの言語で世に出ることになる。
 同じ意味で、全世界の人々に手に入りやすいように、この本はAmazon.comでKindle版のe-bookとして出版された。だから、現在、Amazonの販売地域では、容易に手に入れることができる。イスラエルやヨルダンなどの、Amazonの販売地域ではないところに対しては、これからそれぞれの現地の言葉で出版を考えている。
 英文であっても読んでやろうという読者のために、以下にこの本の紹介文を日本語と英語で記す。

 人類は、発生の当初から、平和で豊かな生活を求めて、戦争を行い、殺し合いを繰り返してきた。強大な権力と武力の確立は、その支配地域に平和をもたらし、外部からの略奪は豊かさをもたらした。

 しかし、人類の状況は、ある一点で、根本的に変化した。それは「近代化」である。

 近代化による社会変革は、戦争によらず、科学技術と分業により、あらゆる生活物資を豊かに産出する可能性を示し、また、理念として人類の自由と平等と共存の可能性を示した。しかし一方、それは人類の本来の社会的なつながりを破壊し、精神の崩壊を導くこととなった。

 本書は、社会集団論を核として、近代化がもたらした人間の社会意識の変化を考察し、現代社会の長所と短所を示し、その問題点を克服し、人類が真に平和な世界を創造するには、どのようにすれば良いかを記したものである。

Human beings have been killing each other in pursuit of a peaceful and prosperous life by waging wars.  By establishing powerful authority, military forces brought peace in the dominated area and riches from plunder.
 
However, the state of mankind changed fundamentally at a certain point; it is called “modernization”.
 
Social reformation by modernization demonstrated possibilities to produce abundantly every daily commodity by science and technology and division of labor — but not by a war. Also, it showed philosophical possibilities of mankind’s freedom, equality and co-existence. On the other hand, it destroyed solidarity by which human beings had been primarily connected in society and, consequently, led people to mental collapse.
 
This book attempts, by centering on social group theory, to examine changes in human beings’ social consciousness, to indicate merits and demerits of modern society, to overcome these issues and to describe how human beings can build a truly peaceful world.

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