世界

トランプ勝利後の世界

トランプ勝利後の世界

米国大統領選挙の開票速報を見ながら、これを書いている。前回は、途中までトランプ優勢であったが、最終的にバイデン民主党が勝利した。

 今回は、トランプ優勢で、そのまま勝利を確実にするようである。米国国民の選択は、トランプによる現状の破壊を選択したといえよう。

 これは、2020年の選挙の折にも書いたが、「虚偽主義とポピュリズム」の勝利である。あるいは、「反グローバリズムのうねり」の結果であると考えて良い。

 前回のトランプ政権では、それなりの人物が閣内にいて、トランプの恣意的な政策をコントロールしていたが、今回は、そのような人物が政権内に存在することは期待できない。トランプのイエスマンばかりで占められるようである。世界はトランプの気まぐれで左右されることとなる。

 おそらく、米国ばかりでなく、世界は、激動と荒波の四年間を迎えるであろう。プーチンと親しいトランプはロシアに有利な条件でウクライナ戦争を終結させようとすると考えられる。NATOは崩壊し、アジアも安全保障状況が極めて不安定となることは大方の予想通りとなる。世界は、ブロック化と保護主義と軍備増強の自国優先、国家角逐の時代とならざるを得ない。

 世界経済は混迷を深め、民主主義国の団結はなし崩しとなる。移民を強制退去させるトランプの政策は、米国経済にもボディブローのような影響を与え、徐々に経済は崩壊するであろう。

 BURICs諸国は世界政治をリードしようとして内輪揉めを起こすであろう。限定核戦争の生起する確率はかなり高くなる。世界をリードする圧倒的な力を持ったリーダーが不在となるからである。

 おそらく2年もしないうちに、米国民は、EU離脱を選択したイギリス国民のように、自分たちの選択が大きな間違いであったことに気づき、2年後の中間選挙では上下両院で民主党を勝たせ、トランプの政治を規制しようとするであろう。

 問題は、世界が崩壊せずに、これからの四年間を持ち堪えることができるかどうかということである。ここをクリアーすれば、反グローバルのうねりが収まり、再びグローバル化を進め、世界経済を立て直し、環境問題をはじめとする喫緊の世界の課題を解決する方向に人類は向かうことができるように思われる。

 我慢の四年間が始まったのである。(2024/11/06)

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